『ソフィーの世界』を読んだ。
Oct 15, 2022
この本はぼくが高校生くらいのときに出版されてベストセラーになっていた記憶がある。実はその時ぼくもこの本を買っていた。でも文庫本や新書ばかり読んでいたぼくにとって分厚いハードカバーの単行本はあまりにかさばりすぎて、結局最初の方を少し読んだだけになっていた。
30 年近くたった今、Kindle 版が安かったので買って読んでみたらとても面白かった。高校生の時に読んでおけばよかったと激しく後悔した。あの頃これを読んでいれば人生が変わっていたんじゃないかと思う。
フェミニズムや環境問題など今でもそのまま通用する話題が多く取り上げられているし、それを古代ギリシャから現代まで連なる哲学の歴史の文脈で語られるのは新鮮だった。
哲学の本というと小難しくて日常生活にあまり関わりがないような感じがするけど、この本では小説という形式の特徴を最大限活用して、哲学をリアルに感じられるように構成されている。その意味で単なる小説じゃなくて重層的なメタ構造というか、そういう最近はやっているような構造をずっと昔に提示していたというのが面白い。