マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読んだ。

Toru Hisai
Feb 19, 2021

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このタイミングで読んでほんとうに良かった。

この本が出たのは何年も前だったと思うけど、今世界中で起こっている正義に関わるさまざまな問題について、自分の考えを改めて俯瞰的に理解する事ができた。

これはアメリカで書かれた本なので、BLM 運動やトランプ前大統領のようなアメリカで起きている事象にはとてもよく当てはまっているように思った。しかしそれだけでなく、少し前の「あいちトリエンナーレ」で巻き起こった表現の自由についての議論や、現在のパンデミックにおける人々の行動をどう理解すべきかなど、自分の身の回りの状況について考えるのにも役に立つ。

この本ではまず倫理や道徳的な規範に従って生活する「善」と、政治や法律などの基礎となる「正義」の概念が、アリストテレスやカントなどの抽象的な哲学の議論に現実で起こった生々しい実例を織り交ぜて分かりやすく紹介される。ここまででも十分面白いんだけど、最後は題名にもあるように「これから」の正義はどうあるべきかについて、サンデル自身の意見も含めて語られていて、いろいろと考えさせられた。

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